新宿・渋谷から9分、京王線の 快速 停車駅「下高井戸」。
下高井戸駅から建物へは、商店街を歩いて 3 分。
下町風情が残る下高井戸の街は、駅北口の甲州街道から南口の日本大学まで 250 以上ものお店が軒を連ね活気に溢れています。
商店街の一画にあって、ひときわ印象的な鉄骨造アパートメント。
それが「ベッセル赤堤」です。
■ 商 店 街 の 小 さ な「 ポ ケ ッ ト 」
下高井戸駅から日大に向かって南西に続く商店街は、
細い道路に沿って携帯電話店やドラッグストア・気軽に入れる喫茶店・古書店・スーパーマッケットなどが並び、東京の中でも活気にあふれる魅力的な街並みを形成しています。
左手に松沢小学校の真新しい校舎を見ながら進み、
交番を通り過ぎた場所が、かつての「正光堂」、今回のプロジェクトの敷地です。
商店街に並んだ店が色とりどりの看板を並べ、活気とともに雑多な雰囲気が続く中で、今回新たに計画している建物の白く半透明に透けるスチールのファサードは、控えめながら、周囲の店舗と少し異なった個性を備えています。上階が集合住宅となるこの建物は、雑多な装飾や鮮やかな色彩で彩るのではなく、最小限の要素を用いて緊張感と柔らかさを兼ね備えたファサードがふさわしいと私たちは考えました。
建物を4階建てとするために、透明感のあるファサードは、隣の建物よりも少し後ろに下がっています。
商店街の喧噪が一段落した場所に新しくできる小さな前庭は、「街並の小さなポケット」のような個性を、商店街の一角にもたらすことでしょう。
■「商店であり、かつ、住宅でもあること」
約5.5m幅の敷地で貸店舗と賃貸住宅の両方に競争力を持たせるデザインは、
なかなか容易ではありません。
なぜなら店舗はより多くの人に認知されるように少しでも多くの間口を必要とし、
一方で集合住宅は店舗の喧噪と離れ、「住居としてふさわしいアプローチ」を必要とするためです。
この相矛盾する要求に対して私たちは、
- 商店街と斜めに接する敷地形状を利用し、店舗と集合住宅を隔てる自立壁を設け、店舗と集合住宅を分離する。
- 階段を敷地中央付近に配置してファサードから階段が直接見えないよう工夫し、かつ、上下階で階段の形状を変えることで、1階店舗間口を最大限に確保する。
という二つの方法で対処しました。結果として店舗の間口は約3.3mの幅となり、
美容院やカフェなど多くの業態に対応できる寸法が確保されています。
その一方、集合住宅にはオートロックの門扉と集合ポストを備えた共用エントランスを作り、
住居にふさわしい雰囲気と機能を持たせました。
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商店街側(北側)の外観。集合住宅の入口と店舗の入口は明確に区別し、お互いに気兼ねなく使えるようになっています。集合住宅のファサードには細かな孔の空いた折版を使用することで、内部のプライバシーと採光/外観の柔らかさを両立させます。
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建物をセットバックさせることで、表側で4層の高さが可能となり、店舗の前にもゆとりが生まれます。店舗/集合住宅の入口の間に建てる自立壁は、それぞれのアプローチを独立させるとともに、サインを設置したり、植物を掛けたりすることで、店舗の演出に使うこともできます。 |
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1階のファサードは、集合住宅側の入口を階段の幅だけに抑えることで、店舗の間口を最大限に確保しています。店舗の入口は、テナントが自由にファサードを作れるよう、外側のシャッターだけをあらかじめ設置します。 |
■ 小さくても住みやすい集合住宅のデザイン
上階に設けられた住戸は、テラスを含めて南北に約10mの長さを持ち、
この規模のアパートとしては例外的な見通しの良さと通風が確保されています。
中央の階段室を挟んで「コの字」型になった平面は、
「寝室エリア」「キッチン・リビングエリア」「バスエリア」の3つに分かれており、
1〜2人向けの比較的小規模なアパートであるにも関わらず、
大人が生活する空間にふさわしい雰囲気を作り出すことを可能としました。
商店街側ファサードに用いる有孔折版は、
プライバシーを保ちつつ適度な明るさと静かな雰囲気を住宅に与え、
商店街の喧噪から少し距離を置いた落ち着いた雰囲気を、室内にもたらすことでしょう。
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南側の窓から見る集合住宅。室内は南北につながり、北側のテラスまでを見通すことができます。 |
住宅の室内には、1階店舗の間口を確保するために1〜2階の階段形状を工夫したことに起因する、45cmの緩やかな段差があります。この段差を、リビングとキッチンのエリア分けに利用したり、店舗入口付近の天井高さを大きくしたりと、有効活用します。 |
また、多くの集合住宅では、せっかくのバルコニーが洗濯物や空調室外機に占拠され、
単なるユーティリティー空間になってしまっているのが現実です。
私たちはこの建物のバルコニーを
「リビングエリアのバルコニー」と「バスエリアのバルコニー」に二分割し、
空調室外機を敷地裏側に設けることで、
「リビングエリアのバルコニー」は植栽やデッキチェアを置き、
リビングの延長として室内に豊かさをもたらし、
「バスエリアのバルコニー」は洗濯物干しの場所として有効に使えるように考えました。
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集合住宅の室内。南北の長さを活かして見通しと通風を確保するとともに、「食事やくつろぎの場所」「睡眠のための場所」「バスルーム・トイレ」を明確にエリア分けし、1〜2人向けアパートの標準を大きく上回る快適性を持たせました。
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少子高齢化が進む社会で永く生き残れる集合住宅であり続けるには、
見た目の奇抜さではなく、
実際に生活する人の使いやすさを考えた「リアリティーのあるデザイン」が必要です。
不要な要素を排し、
「本当に必要なもの」が機能的に美しく組み合わされた建築をこの場所に作りたいと、
私たちは考えています。
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商店街側(北側)の外観。集合住宅の入口と店舗の入口は明確に区別し、お互いに気兼ねなく使えるようになっています。集合住宅のファサードには細かな孔の空いた折版を使用することで、内部のプライバシーと採光/外観の柔らかさを両立させます。 |
商店街側(北側)の外観。集合住宅の入口と店舗の入口は明確に区別し、お互いに気兼ねなく使えるようになっています。集合住宅のファサードには細かな孔の空いた折版を使用することで、内部のプライバシーと採光/外観の柔らかさを両立させます。
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粕谷 淳司 ( 建築家・JIA会員・一級建築士 )
東京都出身
1990 私立海城高校卒業
1995 東京大学工学部建築学科卒業
1995〜1997 東京大学大学院(建築学専攻・大野秀敏研究室)
2002 カスヤアーキテクツオフィス(KAO)設立・主宰
(2005年より粕谷奈緒子と共同主宰)
主な受賞
- 1995年度 建築学生設計大賞 最優秀賞
- 2002年度 グッドデザイン賞(共同受賞)
- 日本女子大学目白キャンパス中央広場プロポーザル最優秀賞など
粕谷 淳司 氏
Room |
間取 |
面積 |
賃料 |
共益費 |
詳細 |
201 |
1LDK |
32.92㎡ |
117,000円 |
3,000円 |
詳細⇒ |
301 |
1LDK |
32.92㎡ |
120,000円 |
3,000円 |
詳細⇒ |
401 |
1LDK |
- |
- |
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物件名 |
VESSEL 赤堤 (ベッセル アカツツミ) |
所在地 |
東京都 世田谷区 赤堤5丁目 30-13 |
アクセス |
京王線 下高井戸駅より徒歩3分 |
賃料 |
117,000 円~ |
共益費 |
3,000 円 |
設備・仕様 |
■2口IHコンロ-システムキッチン
■独立洗面台■おしゃれなキッチン一体型テレビボード
■オートロックのあるエントランス
■2面バルコニー
■浴室乾燥システム
■天井シャワー付きのお風呂
■ウォシュレット
■室内洗濯機置場
■エアコン
■モニター付インターフォン |
建築年月 |
2012年3月 / 入居可能日:3月上旬 |
規模 |
地上 4 階建て |
構造 |
鉄骨造 |
世帯数 |
3世帯 / 1テナント |
取引形態 |
代理 |
設計会社 |
カスヤ・アーキテクツ・オフィス (KAO)
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管理会社 |
レント管理サービス |
■ ノスタルジック市場とチンチン電車
昭和の香りがお出迎え。
その商店街は、駅のすぐ横から広がっています。
まず目にとまるものが、
昭和の下町の風景をそのまま残した「駅前市場」です。
そして、商店街は、駅を中心にして放射線状に広がっていて、
生活に便利なお店が軒を連ねています。
激安スーパーも撃退させたという、武勇伝がこの街の誇りなのかもしれません。
昭和31年にこの市場は建てられ、
それ以降下高井戸の商店街の顔として、現在まで至ってます。
夕方になるとその活気は、より一層増していきます。
ここは東京なのか・・・2両編成の世田谷線。
赤堤の住民にはお馴染みの風景。
しかし、それが地元密着型の市場とうまく掛け合って、深い味わいをだしています。
■「 あかつつみ 」 ブランド
東京都「 世田谷 」区 。それは日本屈指の住宅街。
その中でも、特に評判のいい地名があります。
「 赤堤(あかつつみ)5丁目 」
その住所は、まぎれもなくブランド地に住むことを意味しています。
表面的な華やかさだけではない、古くからの「お屋敷街」であったこの街の本当の心地よさ。
都心からのアクセスの良さ。
それでいて商店街と閑静な住宅街がうまく溶け込んだこの街にきっと虜になるはずです。
この街に引越してくる方の多くが、次も「赤堤限定」でお部屋探しをする。
その理由をこの「VESSEL赤堤」で、ぜひ体感していただきたい。
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